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その事態の原因を突き止めるべく、これまでの経緯を振り返りました。そして、入念な調査の結果、「企業風土」が最大の問題点であるという結論に達しました。 最初に私たち三菱ふそうの企業姿勢が問われたのは、2002年1月横浜市で起きた、大型車のタイヤ脱落による死傷事故です。この事故を起こしたのは「ザ・グレート」という車種で、その原因は「ハブ」と呼ばれる車軸周辺に使用する金属の欠陥でした。その次に、大きな問題となったのは同年10月山口県内で起きた、クラッチハウジング部品の欠陥による死亡事故です。 三菱ふそうは2004年に「ハブの脱落とクラッチハウジングの破損」は、設計に由来する不具合であることを正式に認め、リコールを届け出ました。しかし、残念なことに、その後もこれらの品質問題が依然として解決されていないことが判明しました。 そこで、ハブおよびクラッチハウジング部品の不具合問題を中心に、1)どの時点でどのような対応がおこなわれていれば事故は防げたのか、2)なぜ、そのような対応がなされなかったのか、3)その背景にある「隠蔽体質」とお叱りを受けた、企業風土やシステムはどのようなものであったか、4)再発防止策としてどのような措置が有効か、などについて徹底的に調査をおこないました。 その結果、これらの一連の事態の「直接原因と間接原因」の概要が見えてまいりました。
このように深刻な事態を引き起こしてしまった要因は複合的なものでした。まず、当時の品質保証業務のプロセスに不充分な点や重大な不備があったこと。品質の欠陥やさまざまな不祥事が明らかになった2000年当時のフォローが不足していたこと。そして、会社として迅速かつ的確な対応を怠ったこと自体が一番の問題点であり、結果的に尊い二人の方の人命を奪うという死傷事故につながったと考えています。 私たち三菱ふそうはこれらの原因を改善するには、「品質問題」と「組織改革」の2つの方向から「品質改善への取り組み」を進めていくべきであるという結論に達しました。次ページからは、調査の概要とご報告、「品質問題」と「組織改革」の具体的な取り組みについて、ご報告してまいります。 |
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