近年、都市内を走行する路線バスには、大気汚染の深刻化に伴う排出ガス低減への要求および経済性、 地球温暖化防止対策としての低燃費化(CO2排出量の低減)が切実に求められている。 一方、高齢化社会に向かいバリアフリー対応としてノーステップバスが将来の主流になろうとしているが、 従来の駆動システムでは機器の搭載により床面の平面部に制約があり、居住性、車椅子の移動等、満足できる状態にはない。
このたび開発した大型路線バス用電気ハイブリッド(HEV)駆動システムは、 低公害車として全国に普及させるためインフラ整備が不要で実績ある現行ディーゼルエンジンを動力源としながらも、排出ガス、燃費、騒音を大幅低減し、 環境との調和を図ると共に、合理的な機器配置によりノーステップバス室内平面床の拡大を可能とする、 実用性の高い理想的な路線バス用駆動システムである。
電気ハイブリッド(HEV)駆動システムを搭載した大型路線バス
「エアロノーステップバスHEV」イラスト
このエンジンと発電機をセットで車両最後部に横置きに搭載し、電池を屋根部に設置することにより、ノーステップ車体構造が実現可能。 従来車に対し後輪部の床面積の拡大、さらに最後部座席位置後退による床面積の拡大と扉の設置位置の自由度増大が期待できる。
走行性能は都市内走行に充分な性能を確保することができ、電気モーター駆動ならではの変速ショックの無いスムーズな加速も実現可能。
運転操作は、電気モーターによるフルオートマチック駆動の採用によりクラッチ操作も不要となる。