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三菱ふそう

中期経営計画について


2009年5月13日

三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下:MFTBC)は、ここ数年の自動車業界を取り巻く環境と市場の変化に対応し、より一層『競争力のある会社』『収益力のある経営体質』を実現するため、本日、中期的な視野に立って事業体制の再編を行なう“中期経営計画”を発表しました。

今回の計画は、親会社であるダイムラー社のダイムラー・トラック部門全体の短期・中期・長期的な利益目標を達成するための“グローバル・エクセレンス”戦略に基づいています。
それは、@需要周期変動への対応 Aオペレーショナル・エクセレンス(効率化とプロセス改善) B海外成長と市場開拓 C将来への製品&技術開発の4つの柱で構成されており、中期経営計画はそれに貢献すべきものでもあります。

MFTBCの過去6年間の販売構成は、海外販売が2003年の52%から2008年には78%へと増加しています。今後、海外販売の割合が比較的堅調に伸びることが期待される一方で、国内市場では長期的な需要低迷もあり、厳しい状況が続くことが予想されます。

今回の計画はこのような市場の変化に柔軟に対応しながら、これからの市場の成長予想とあわせて、市場環境とその変化に影響されない利益体質、成長市場に合せた柔軟な経営体制の構築を目指すことを狙いとしています。そのためには将来に向けて体制強化を図ることが重要であり、より効率的な経営体制に変革を遂げるため、具体的には、製品構成の合理化、生産体制の最適化、販売体制の最適化、原材料費の最適化と固定費の削減を実施します。

この計画によって発生する構造改革費用は350億円が予想されますが、2011年には年間で税引前利益(EBIT)1,000億円の利益改善を実現できる体制を目指します。


I.実行中の緊急・短期施策について

昨今の厳しい世界経済情勢に対処するべく緊急・短期的な施策として、工場稼働率低下による生産調整、在庫圧縮や労務費等の固定費の削減をすでに実施しており、2009年3月の在庫水準を2008年10月と比較し45%削減、2009年第1四半期の固定費は前年同期比20%削減となり、支出を最小限に抑えることができました。

また、短期施策の一環として、残業管理の強化、採用の凍結、非正規社員の契約未更新、工場・本社の特別休業、管理職・一般社員の基本給減額、外注業務の一部内製化を含む労務費削減策も随時導入しました。

II.MFTBC中期経営計画について

1.製品構成の合理化
MFTBCは、トラック、バスともに小型から大型までフルラインアップの製品構成としており、それらは今後も継続しますが、今後は2010年までに製品の車種型式数を現在より50%減らすとともに、部品点数を30%削減します。これにより、シンプルな製品構成が実現します。なお、お客様のニーズに応えるためにオプションを充実させ対応します。


2.生産体制の最適化
グループ全体として工場の稼働率を上げるとともに、各市場に近い場所で生産するよう、生産体制を見直します。

(1)

バスの生産機能を集約
小型バス「ローザ」を生産する大江工場(愛知県名古屋市)の機能を2010年第2四半期までに、大型バス(観光、路線)を生産するMFTBC100%子会社の三菱ふそうバス製造株式会社(富山県富山市)に集約します。結果、全てのバスの生産は同社にて行なわれ、効率的な生産体制が確立します。

(2)

川崎工場の組立・物流機能を強化
川崎工場で行っている車両組立のラインを集約し、構内物流と生産性を大幅に改善します。

(3)

タイ工場の生産機能を移管
タイ市場向けの大・中・小型トラックの生産を行なうMFTT(タイ・バンコク地区)の工場を2009年末までに生産終了し、アセアン地域内(検討中)へ移管します。しかしながら、引き続きタイ市場での販売、サービスは継続して行ないます。

(4) ポルトガル工場の稼働率の向上
欧州向けの生産拠点であるMFTE(ポルトガル・トラマガル工場)の稼働率向上を目指します。

3.販売体制の最適化
販売体制のさらなる効率化を行ないながら従来どおりのサービスを提供します。

(1)

国内販売網の再編成
2006年3月に連結対象販売会社26社をMFTBCに統合し、徹底した顧客第一主義を実現するために、これまで以上に販売会社との距離を縮め、市場情報、経営情報が販売の第一線まで浸透する機動力のある事業体にしました。さらに2007年8月には、その26地域販売部門を11地域販売部門へ集約し、お客様の活動に合わせた体制に進化させました。
そしてこの度、「All for you」精神に則り、お客様へのサービスの質は維持・向上させながら、より一層効率的な販売体制の運営を目指し、お客様が活動する地理的な条件やサービスのニーズに応じた『ハブ&スポーク型』販売網へと進化を遂げます。ハブ拠点は販売やアフターセールス等、全てのサービスを従来通り提供する一方で、スポーク拠点ではアフターセールスに特化した体制を構築することで、従来まで重複して行なっていた業務をより簡素化し業務効率の向上を図ります。これにより一部、拠点の統廃合が行なわれますが、お客様へのサービスの質は維持するだけでなく、さらに向上させます。

サービス業務の生産性向上やその他販売体制効率化策の実施によって、国内販売体制全体としてコスト中心に25%の効率性改善を目指します。
(2)

海外事業のアフターセールスの強化
過去数年にわたり成長している海外事業をより強化します。特にアフターセールス分野の部品事業体制を強化し、マーケット別と商品別施策を織り交ぜながら、部品販売を大幅に拡大します。


4.原材料費の最適化
ダイムラー社のグローバルな調達ネットワークの有効活用ならびに共同調達を行うことで、原材料価格の変動にも柔軟に対応していく体制を構築します。さらに、新製品導入や主要市場に近い拠点への生産シフトに伴い、部品調達のグローバル化を推進します。


5.固定費の削減
上記の施策や効率向上策、改善策などを実行することによって、固定費を25%削減することが可能となります。これらを実現することにより、市場の需要低迷期でも利益を出す経営体質を構築することができます。
また、従業員数については、定年退職や新規採用抑制による自然減、再就職の斡旋(セカンドキャリア・サポート)等により、2010年末までに全世界で約2,300人(間接員2000人、直接員300人)減少します。なお雇用の維持・確保に関しては、あらゆる手段を尽くします。


以上によって、MFTBCの中期経営計画はコスト削減策75%、収益改善策25%という構成比になり、2011年には年間で税引前利益(EBIT)を1,000億円改善し、構造改革に伴う費用は350億円を見込んでいます。

ダイムラー・トラック部門総責任者のアンドレアス・レンシュラーは、「ダイムラー・トラック部門が進めている“グローバル・エクセレンス”戦略で求めていることは、景気の周期変動に対して早期かつ効果的に対応することです。この点ですでにMFTBCは、厳しい商用車市場の低迷に対応するため、数ヶ月にわたり対策をとってきました。さらに今回の施策により、MFTBCが中期的に持続可能な収益を生み出せる力をつけるとともに、ダイムラー・トラック部門のアジアの柱として、小型トラックの中心的存在として、そして、ハイブリッド技術におけるリーダーとしての重要な役割を担い、その力を強化することになるでしょう。」と述べました。

取締役会長の鈴木孝男は、「この中期経営計画により、当社は昨今における変化の激しいグローバル商用車市場の変遷に柔軟に対応することで、中期的な競争力の向上を実現し、その結果としてお客様とのパートナーシップをさらに強化することができます。」と述べました。

代表取締役社長兼CEOのハラルド・ブルストラーは、「当社は、近年、海外販売を伸ばし、業務体制を近代化し、ダイムラー・トラック部門とのハイレベルな統合を実現するなど、大きな進歩を遂げ、日本市場における強固な地位を再び確立しました。さらに今回の計画によって、事業を緊密に整理・再編するという抜本的な経営改革を行うという新たな局面に入ります。」と述べました。

現在ダイムラー・トラック・バス部門の経営企画・商品企画・財務総責任者であり、次期MFTBCの社長兼CEOのアルバート・キルヒマンは、「この企業経営の新たな局面においてMFTBCを率いていくことを楽しみにしています。MFTBCの社員は、逆境に立ち向かい困難な目標を達成していく力があると信頼しています。また同時にお客様ニーズや高品質への要求に懸命に応え続けることができると確信しています。」と述べました。




私たち三菱ふそうトラック・バス株式会社は、「商品・人・サービス」など企業活動のすべてについて「お客様・社会全般・地球環境」のために何ができるのか、何をなすべきなのかを考えます。私たちの企業活動を「All for you」という言葉に込め、すべての大切な社会や環境、そして、大切なお客さまのために役立てていけるよう追求しつづけます。


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