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三菱ふそうトラック・バス株式会社

プレス リリース

ハイブリッドで世界初のデュアルクラッチ式トランスミッションを搭載
クラストップの燃費性能を実現した 最も低燃費でクリーンな
小型ハイブリッドトラック 新型「キャンター エコ ハイブリッド」を新発売

2012年5月18日
三菱ふそうトラック・バス株式会社(代表取締役社長 アルバート・キルヒマン、本社:神奈川県川崎市 以下:MFTBC)は、小型ハイブリッドトラック新型「キャンター エコ ハイブリッド」を5年10カ月ぶりにフルモデルチェンジして、5月18日(金)より全国の三菱ふそう系販売会社及びMFTBC地域販売部門から発売しました。
新型「キャンター エコ ハイブリッド」は2010年にフルモデルチェンジした小型ディーゼルトラック「キャンター」をベース車として開発。新たにデュアルクラッチ式トランスミッション“DUONIC®”と“ハイブリッドシステム”を組み合わせた世界初の「ハイブリッド用モーター内蔵デュアルクラッチ式トランスミッション」を搭載。更に、エネルギー効率の高い、高性能のラミネートタイプのリチウムイオン電池を新たに採用し、ハイブリッドシステムの効率向上と小型軽量化をMFTBC内にあるダイムラートラック部門のハイブリッド開発センター“グローバル・ハイブリッド・センター”にて開発。既に定評の高効率で低燃費を特長とする排気量3リットルの“4P10クリーンディーゼルエンジン”と、クリーンな排出ガスに大きく寄与する排出ガス後処理装置“BlueTec®システム”と組み合わせることで、世界で最も厳しいとされるポスト新長期排出ガス規制(平成22年規制)に適合するだけでなく、さらに全車で低排出ガス認定車(NOx、PM10%低減レベル)および九都県市指定低公害車で平成21年「超」も取得しています。
また、全車で平成27年度重量車燃費基準を20%以上オーバー達成し、クラストップの低燃費(12.8km/L※1)を実現し、本年度からの「エコカー減税」では自動車重量税と取得税が免税される、最も低燃費でクリーンな小型トラックです。
その他にもダイムラーグループでの国際調達や部品共用化を進めハイブリッドシステムのコストを大幅に低減すると共に、ブレーキオーバーライドシステムなどの先進的な安全システムを多数採用しています。
なお、同車の広告・宣伝テーマは、卓越した発想・技術・品質を備え“この先を見据えたトラック”をイメージして「10年コンセプト」と表現しました。「10年コンセプト」は、MFTBCの自信であり、お使いいただくお客様や社会に対する責任の表れでもあります。
※1 GVW3.5t超〜7.5t以下 最大積載量 1.5t超〜2t以下 カテゴリー 重量車モード燃費値
新型「キャンター エコ ハイブリッド」撮影用特別仕様車
新型「キャンター エコ ハイブリッド」撮影用特別仕様車
GOOD DESIGN LOGO
新型「キャンター エコ ハイブリッド」の主な特長
クラストップの12.8km/L(2.0トン積クラス※1)の燃費性能
平成27年度重量車燃費基準をオーバー達成し、全車「エコカー減税」の対象
クリーンな排出ガス (ポスト新長期規制に対して、NOx, PMを30%更に低減)
ハイブリッドシステムとデュアルクラッチ式トランスミッションの組み合わせ(世界初)による燃費の大幅向上とイージードライブを両立
小型、高性能なラミネートタイプリチウムイオン電池を新採用
フロントグリルに「ECO HYBRID」ステッカーを標準設定
1. 商品特長
新型「キャンター エコ ハイブリッド」は「環境性能」「経済性能」「安全性能+α」の3つのコンセプトのもとに開発してきました。これらを最先端の技術をバランス良く組み合わせることで、地球環境、ドライバー、社会に優しい、最も低燃費でクリーンな小型トラックとしています。
(1)大幅なCO2削減とクリーンな排出ガス
平成27年度重量車燃費基準を達成することで、全車「エコカー減税」の対象
燃費基準値を20%以上オーバー達成し、全車が免税の対象になります。
ポスト新長期排出ガス規制に適合、さらに低排出ガス認定を取得
世界で最も厳しいとされるポスト新長期排出ガス規制に適合するだけでなく、低排出ガス認定(規制値よりもNOx、PM10%低減レベル)を取得しています。
九都県市指定低公害車に指定
ポスト新長期排出ガス規制からNOx、PM30%低減レベルの九都県市指定低公害車制度の平成21年「超」を取得しています。
(2)ハイブリッドシステムとデュアルクラッチ式トランスミッションの組み合わせ(世界初)
小型トラックに最適なパラレル方式ハイブリッドシステムを採用
新型「キャンター エコ ハイブリッド」は、初代から好評のクラッチとトランスミッションの間にモーターを配置したパラレル式ハイブリッドシステムを採用しました。このシステムは、エンジンとモーターを独立させて使うことができるため、クラッチを切断することにより、モーターによる発進や、減速エネルギーの高い回生効率が得られ、燃料消費を大幅に減らすことが可能となりました。
ハイブリッドシステム外観図
ハイブリッドシステム外観図
パラレル方式ハイブリッドシステム
パラレル方式ハイブリッドシステム
ハイブリッド用モーターを内蔵したデュアルクラッチ式トランスミッションを世界初採用
実績のある自動トランスミッションの伝達効率を極限にまで高めたMFTBC独自の6速デュアルクラッチ式トランスミッション「DUONIC® (デュオニック)」にハイブリッド用モーターを新たに内蔵した「ハイブリッド用モーター内蔵デュアルクラッチ式トランスミッション」を世界で初めて採用しました。デュアルクラッチ式トランスミッションの最大の特長であるショックや駆動力の抜けがない、スムーズでシームレスな変速に加え、高出力高回転型モーターを効率良く使用することが可能となり、これまでよりも一層CO2排出量低減と燃費性能に優れたクルマを実現しました。また最大出力40kW最大トルク200N・mのハイパワーなモーターでありながら、全長を110mmの増加に抑え、油冷式を採用することで、冷却効率の向上と、トランスミッション冷却との共用化を図っています。
「ハイブリッド用モーター内蔵デュアルクラッチ式トランスミッション」を世界で初めて採用
DUONIC®
型式 M038S6
クラッチ形状 湿式デュアル
ギヤ数 前進6段、後進1段
モーター
型式 S20
種類 永久磁石式同期モーター
最大出力(kW) 40
最大トルク(N・m) 200
<発進時〜加速時〜通常時〜制動時>
ハイブリッド発進時
発進時はアクセル操作ない、モーターによる「モータークリープ走行」を可能としました。エンジンがアイドリングを保ち低燃費かつ静かな発進が可能となりました。また、モーター単体走行での速度域と時間が大幅に増えました。(バッテリーの充電状態による)
  ハイブリッド加速時
加速時や登坂路走行時など高い駆動力を要する場面では、モーターがエンジンをサポートし効率良い走りをします。

ハイブリッド通常走行時
通常走行時はエンジンで走行し、可能な限りモーターがアシストをします。
 
ハイブリッド制動時
制動時にはモーターを発電機として使用し、制動エネルギーを回生して電気エネルギーとして電池に蓄えます。また、モーターのみで十分な制動力が得られる場合はクラッチを切断することで効率良いエネルギー回収を行います。

DUONIC®による積み荷にやさしい走行に加えて、ハイブリッドによる低燃費走行を両立しました。
(3)小型、高性能ラミネートタイプリチウムイオン電池を採用
小型、軽量な高性能ラミネートタイプリチウムイオン電池を新たに採用し、モーター走行および回生時の出力を向上。加えて、従来型よりもサイズをスリム化することで、架装性も向上。また信頼性の証として、リチウムイオンバッテリーモジュールの10年保証を適用しています。
小型、軽量な高性能ラミネートタイプリチウムイオン電池イメージ
(4)新開発小型エンジン「4P10」を搭載
新開発の「4P10」エンジンは排気量3リットル、直列4気筒のインタークーラー付ターボディーゼルエンジンで、DOHC4バルブ構造を採用。コモンレール式燃料噴射装置に、応答速度に優れた“ピエゾ方式インジェクター”を採用した他、高い過給効果が得られるVGターボと高効率のEGRクーラーをあわせて採用することで、高い燃焼効率とクリーンな排出ガスを高いレベルで両立。また、フラットなトルク特性により、ドライバビリティも大幅に向上しています。
なお、このエンジンは、MFTBCとイタリアのFiat Powertrain Technologies(FPT)社が共同開発したもので、両社の厳しい品質基準、耐久性能、燃費基準などをクリアしています。
4P10エンジン
4P10エンジンスペック
エンジン型式 4P10
適合排出ガス規制 平成22年規制
(ポスト新長期規制)
シリンダー配列 直列4気筒
総排気量(ℓ) 2.998
吸気方式 インタークーラーターボ
ボア×ストローク(mm) 95.8 x 104.0
最大出力kW(PS) 96(130)
最大トルク N・m (kgf・m) 300(30.6)
(5)クリーンな排出ガスを可能とする「BlueTec®システム」を採用
高性能な4P10エンジンのポテンシャルを最大限に引き出すため、新型「キャンター エコ ハイブリッド」には、再生制御式DPFと尿素SCRを組み合わせた「BlueTec®システム」を採用しました。このシステムは「再生制御式DPF」でPMを捕集、燃焼除去するとともに、NOxは「尿素SCR」で無害な窒素と水に分解します。さらに、エンジン本体の高い燃焼効率により、燃費の向上を図り、同時にCO2排出量の低減が実現します。なお、BlueTec®システムは、国内向けの全商品に搭載されている技術です。
(6)先進的な安全システムを採用
新型「キャンター エコ ハイブリッド」は、高速時の制動能力を向上させる「総輪ディスクブレーキ」や、意図せぬアクセル操作に対するフェールセーフ機能としての「ブレーキオーバーライド」機能を標準装備しました。より高い次元の快適性や乗用車的なイージードライブを実現することにより、従来的な「安全装備」を超えた安全を提供します。
ブレーキオーバーライドシステムを採用
アクセルペダルが踏まれた状態で、ブレーキペダルを踏むと、ブレーキが優先される「ブレーキオーバーライドシステム」を採用しました。
ABS+EBDを標準装備
ABSに加え、積載状態に応じて最適なブレーキ力の配分をコントロールするEBD(電子制御制動力配分システム)を標準装備しました。制動時の車両安定性向上と、空車時の早期ABS作動を防止します。
総輪ディスクブレーキの採用
ブレーキのコントロール性に優れる総輪ディスクブレーキを全車に採用し、制動性能を高めました。
高電圧安全性への配慮
徹底的な確認試験を通じて、先進の安全思想を持つ、ダイムラー社の厳しい社内基準にも適合させています
(7)「Ivis」の採用に加え、新たにリチウムイオン電池の充電量、モーターの状況
    (チャージ、アシスト)を表示
スピードメーターとタコメーターを左右対称に配した新型メータークラスターを採用。メータークラスターには、すでにMFTBC製品で採用している多重情報表示「Ivis(アイヴィス)」を採用しました。Ivisでは、燃費情報、DPFのPM堆積モニター機能、メンテナンス情報などを表示することが可能ですが、新たにリチウムイオン電池の充電量、モーターの状況(チャージ、アシスト)を表示させる新型メータークラスターしました。
新たにリチウムイオン電池の充電量、モーターの状況(チャージ、アシスト)を表示させる新型メータークラスター
(8)エクステリアに「ECO HYBRID」ロゴを新たに配置
FUSOデザインの理念を継承したタフ&ソリッドをテーマとしたキャブスタイルをディーゼル車と同様に採用すると共に、ハイブリッド車専用の「ECO HYBRIDステッカー」をフロントグリルに標準設定。フロントガーニッシュ下部に「ECO HYBRIDエンブレム」をメーカーオプションで設定しました。また、バッテリーカバーにもロゴを刻印しました。
ECO HYBRIDエンブレム、バッテリーカバーにもロゴ刻印
2. 国内販売目標台数
小型ハイブリッドトラック 新型「キャンター エコ ハイブリッド」 2,000台/年
3. 主な型式及び希望販売価格(消費税込み)
車型 エンジン トランス
ミッション
積載量
(t)
仕様 価格(円)
FEA53B21SU06 4P10(T2) DUONIC®
6速AMT
2.0 D-VAN ドライパック
ショートタイプ(スペアタイヤレス)
5,662,650
FEB73E31S006 3.0 D-VAN ドライパック
ワイドロングタイプ
6,470,100
FEA13E21S006 2.0 平ボディー 普通免許対応車
ロングタイプ
5,486,250
「DUONIC®」はDaimler AGの商標です。
「BlueTec®」はDaimler AGの登録商標です。
「FUSO 2015」の取り組みについて
MFTBCは、企業ビジョン「FUSO 2015」の5つの柱の一つに「業界をリードするグリーン・イノベーション(環境貢献企業)」を掲げています。その中で「CO2排出削減 2015年まで7.5%」を目標にしており、今回の「新型キャンター エコ ハイブリッド」の開発は、その取り組みの一つです。

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