2023年11月に開かれたジャパン・モビリティ・ショー(JMS)で、三菱ふそうの新型スーパーグレートが世界初公開を果たした。白で統一されたブースの中央に、深紅の大型トラックがお披露目された瞬間、三菱ふそうのデザインチームのメンバー達は大きな達成感に包まれた。
「『どれも同じ』よりも『全然違う』という印象を与えたかった」と、 デザイン部部長のベンジャミン・ナウカは言う。
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2023年11月に開かれたジャパン・モビリティ・ショー(JMS)で、三菱ふそうの新型スーパーグレートが世界初公開を果たした。白で統一されたブースの中央に、深紅の大型トラックがお披露目された瞬間、三菱ふそうのデザインチームのメンバー達は大きな達成感に包まれた。
「『どれも同じ』よりも『全然違う』という印象を与えたかった」と、 デザイン部部長のベンジャミン・ナウカは言う。
世界初公開を果たしたということは、安全性、機能性、見た目の美しさを融合させる困難な道のりが、ついにゴールに達したことを表す。ここでは、新型スーパーグレートのデザインと、そのために行われた意思決定のプロセスを探っていこう。
第一印象
見る者に与えたい第一印象は「堂々としていてエレガント」。それは、スーパーハイルーフのキャビンがスリムで見上げるほどの高さがあり、赤と黒というカラーリングと、無駄のない洗礼されたデザインにより導き出された。中でもインパクトがあるのはグリルの形状とFUSOロゴの配置だ。競合他社だけでなく先代のデザインとも著しく異なるそれは、現行の三菱ふそうのラインナップと並べれば、なるほどファミリーの一員であることが分かるが、この変化は人々を驚かせるには十分なインパクトだ。
スーパーグレートの変革は2017年のフルモデルチェンジ以来6年ぶりとなる。最新バージョンでは経済性、安全性、快適性の向上が焦点となった。デザインの第一歩は、従来のキャブデザインを大きく脱することから始まった。
グリルについて
新型スーパーグレートにおいては、小型トラック「キャンター」や大型バス「エアロクイーン」など、他のFUSO車両にも用いられるブラックベルトのモチーフをより進化させた。とにかく幅が広く安定感があり、位置も高めでより目立つ。三菱ふそうの象徴であるスリーダイヤモンドのロゴは、その重厚なブラックベルトの上に配置された。
この新しいデザインが全体のバランスを保ち、大型車両に見られるアグレッシブな印象を和らげ、洗練され、パワフルでありながら親しみやすさを感じられるよう設計されている。
視覚的効果だけではないブラックベルトの特性を紹介しよう。まずは空力の観点から、コーナー形状、それをサポートするフィン形状など全てが、空気抵抗を最適化するよう設計されている。
樹脂部品の塗装を排除し、環境に配慮した表面処理を採用することで製造工程でのCO₂削減にも貢献している。フォグランプとターンランプを一体化したLEDヘッドライトを採用し、ここでも空力性能が向上した。
座席でドライバーが最初に気づくこと
JMSに展示された新型スーパーグレートのキャビンに乗り込むと、まず深紅色の高級感に心躍るはず。新設定されたスーパーハイルーフのおかげで広々とした車内空間が楽しめる。間接照明が天井に向かって柔らかな光を広げ、トラックというよりも飛行機に乗っているようなリラックスした気分に。頭上の収納スペースも大幅に改善された。
座ってみると、長時間利用時の快適性を追求したシートに気づく。また新しく導入された電動パーキングブレーキは最新技術であるがシンプルな装いにまとめた。
見た目のみならず機能的にも優れた改良がなされている点が嬉しい。
異なるアプローチ
では、どのようにこれらのデザインに辿り着いたのか。デザインチームは、早い段階でお客様の声を取り入れ、VRなどの最新技術を駆使した。過去数年間でお客様から寄せられた改善点を収集し、これらの要素を設計に落とし込んだ。間接照明やインテリアの新色などがその例だ。
設計プロセスの開始
商用車のデザインは、モビリティにおいて最も困難だと言われている。見栄えの良さはブランドを輝かせる一方で、機能性を妥協してはならない。
「主なコンセプトは、歴史からインスピレーションを得つつ、同時に未来を強く意識した新しいデザインを開発することでした」と開発本部デザイン部マネージャーの土出氏は語る。
過去のスーパーグレートや他のFUSO車両は横への流れを意識したブラックベルトを採用しているが、今デザインはそこから転進した。空力性能が優先事項であることと、未来まで続くヘリテージへのこだわりが相まって、この特徴的なデザインが生まれたのだ。
新型スーパーグレートに込めた願い、そしてその先へ
このモデルチェンジにおける一番の願いは、新型スーパーグレートがお客様に喜びと満足をもたらすことだ。ふそう車のオーナーであることにプライドを持てるような車両を提供したい。
「私たちは現状に満足せず常に疑問を投げかけ、製品、ブランド、デザインを継続的に改善したい。」とベンジャミンは言う。
新型スーパーグレートの詳細については製品ページから。