「ダイムラー・日本財団イノベーティブリーダー基金」、
初の奨学生8名を決定
2012年7月30日
独ダイムラー社(シュツットガルト、取締役会会長:ディーター・ツェッチェ)ならびに公益財団法人日本財団(東京都港区、会長:笹川陽平)は、グロービス経営大学院(東京都千代田区、学長:堀義人)仙台校に設置した、「ダイムラー・日本財団 イノベーティブリーダー基金」の第1期「イノベーティブ奨学金」授与者8名を、このたび選出いたしました。この授与式を7月29日(日)、同学仙台校キャンパスにて開催し、ダイムラー社副社長(エグゼクティブ・マネージメント・ディベロップメント担当)のカール・デッペン、日本財団常務理事の佐藤英夫らが出席しました。
ダイムラー・日本財団イノベーティブリーダー基金は、東日本大震災に罹災した地域の創造と変革を担うリーダーの育成を目的として2012年4月に設置したもので、具体的には、(1)グロービス経営大学院仙台校に学ぶ岩手・宮城・福島在住の学生への奨学金「イノベーティブ奨学金」、ならびに、(2)当該学生による東北地方での新規事業のスタート資金「スタートアップ基金」により構成されています。基金設置期間の2012年4月から2015年3月までの3年間で、(1)によって被災地に100人以上のビジネスリーダーを輩出すること、(2)によって優れた新規事業15〜20件に資金助成し、被災地での雇用創出に貢献することを目指しており、事業規模は総額2億円程度となる想定です。
今回、選出された8名は、いずれも東北各県における復興・再創造の旗印とも言える存在で、被災地での起業を資金やノウハウ面から支援するファンドを組成した一般社団法人MAKOTOの代表理事・竹井智宏氏、福島・いわき駅前に復興飲食街を開設した株式会社夜明け市場の代表取締役社長・鈴木賢治氏ほか、非常に多彩な顔ぶれとなっています。
ダイムラー、日本財団代表者(後列)と奨学生(前列)
29日の授与式では、授与者自身の活動についてのプレゼンテーションも行われました。授与者に対し、ダイムラー社副社長のカール・デッペンからは、「東北の皆さんは、この地の復旧・復興に向け、大変な苦労を払われました。2011年が“復旧”の年とすれば、2012年は“再創造”の年。被災地を震災前の状態に戻すだけでなく、成長に投資し、新たな未来を創る機会と言えるでしょう。この奨学金が、起業家・リーダーの皆さんの“東北の魂(Spirit of Tohoku)”を喚起し、新しい東北を生む一助となることを信じます」との祝辞が贈られました。また授与者からは、東北支援に対する3者への感謝や「アントレプレナーシップとビジネススキルとを養う場として、また一層のネットワークを広げる機会として大学院を活用し、東北復興に全力を尽くしたい」との決意が口ぐちに述べられました。
なお今回の奨学生は、グロービス経営大学院仙台校が設置した「仙台特別単科制度」を活用した仙台特別単科生となります。本制度は、MBA(経営学修士(専門職))取得過程の基礎科目を1科目から履修できるもので、初学期の2012年4月期には当初想定を3倍程度も上回る101名の学生が受講されました。8名には、7月期以降の受講分を含め、3科目の受講料の5割ないし8割が基金より提供されます。また今後、MBA取得を目指し2013年4月以降にグロービス経営大学院に入学する「本科生」を対象とした奨学金や、イノベーティブ奨学金を授与された単科生/本科生の中から新規事業を開始する者を対象とした「スタートアップ基金」も順次、選出の予定です。