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三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下MFTBC)は、サウジアラビア王国で初となる小型トラック「キャンター」のKD(ノックダウン)生産[1]を開始しました。現地での組み立て生産は、販売会社のジュファリ・コマーシャル・ビークルズ社が運営する工場で行われています。
サウジアラビアでのKD生産は、GVW(車両総重量)6.5トンの小型トラック「キャンター」のFE84を4型式、GVW7.2トンのFE85の3型式を対象に生産を開始しました。4D33エンジンを搭載する同車両は、食品や日用品の物流など、多岐にわたる産業や用途で活用されています。FUSOブランドのトラックは、同国の過酷な環境下で必要とされる耐久性と信頼性により、ロングセラーとしての実績を築いてきており、現在でもサウジアラビア国内では年間数千台を販売しています。その中でも販売台数が特に多い小型トラックに加えて、中・大型トラック、小型バスを含む充実したFUSOのラインアップを導入しているサウジアラビアは、中東地域においてアラブ首長国連邦に次ぐ市場規模となっています。
生産を開始する「キャンター」のKD部品は、MFTBCの川崎製作所からサウジアラビアの首都リヤドに次ぐ大都市であるジェッダに所在するNAI社の工場に輸出します。NAI社の工場では、高い品質が求められるメルセデス・ベンツブランドのトラックの組み立てを約半世紀前に開始しており、長年にわたるトラックの生産を通じて、サウジアラビアの発展に貢献してきました。
サウジアラビアは近年、急速な経済成長を遂げており、最新の予測では2022年のGDP成長率は7%以上[2]とされています。石油の輸出を中心とした経済からの脱却を戦略的に示す「ビジョン2030」を掲げ、複数のインフラや都市開発のメガプロジェクトを推進しています。その中には、サステナブルな設計の新たな観光地、公共交通網、未来技術を対象とした工業団地などが含まれています。市場投入が1973年までに遡るFUSO車は、このような大規模な公共投資により、今後サウジアラビアでさらに重要な役割を果たすと期待されています。
[1] 自動車の部品を輸出して、現地で完成車に組み立てるという生産方式
[2] https://www.imf.org/en/Countries/SAU
ジェッダ市の工場で生産中の小型トラック「キャンター」
小型トラック「キャンター」を組み立てる従業員
ジュファリ・コマーシャル・ビークルズ社について
ジュファリ・コマーシャル・ビークルズ社はサウジアラビア王国におけるダイムラートラックAG の販売代理店として、メルセデス・ベンツとFUSOブランドの製品を扱っています。1946年の設立以来、自動車の生産と販売を通じてサウジアラビアの発展に貢献してきました。同社は2018年、FUSOブランドのトラックとバスの販売代理店として、サービスおよび純正部品供給を含む業務を開始しました。
ナショナル・オートモビル・インダストリー社について
ナショナル・オートモビル・インダストリー社(NAI社)はダイムラートラック社とE.A. Juffali & Brothersの合弁会社として1974年設立されました。1977年、現地で初めて組み立てられたメルセデス・ベンツのトラックが生産開始して以来、サウジアラビア人の手によって11万台以上のメルセデス・ベンツのトラックがNAI社で製造されてきました。
三菱ふそうトラック・バス株式会社について
三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)は、ダイムラートラック社が89.29%、三菱グループ各社が10.71%の株式を保有し、川崎市に本社を置く商用車メーカーです。90年の長い歴史を持つFUSOブランドの、小型、中型、大型トラックやバス、産業用エンジンを含む製品を世界170以上の市場向けに開発・製造・販売しています。2017年、初の量産型電気小型トラック「eCanter」を市場に導入し、2019年には、日本の商用車市場のベンチマークとなる、SAEレベル2相当の高度運転支援技術を搭載した大型トラック「Super Great」を商用車メーカーとして初めて日本に導入しました。MFTBCは、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)とともにダイムラー・トラック・アジアの一員として、製品開発、部品調達、生産などの分野で協力し、お客様に最高の価値を提供しています。
FUSOブランドについて
「FUSO」はダイムラートラックのブランドの一つです。世界170以上の市場において小型、中型、大型のトラックやバスといった幅広い商用車や、産業エンジン、コネクティビティソリューションを展開しています。日本の商用車業界における象徴的ブランドであり、90年にわたって、日本ならではの品質や熟練技術によって、効率性や安全性、快適性を追求した商品を提供してきました。特に小型トラックセグメントの商品ラインアップで評価されており、小型トラック「キャンター」は世界中の様々な市場でトップシェアを獲得しています。2017年には日本初の量産型電気小型トラック「eCanter」を発売し、FUSOはeモビリティにおけるパイオニアとしての地位を確立しました。FUSOのブランドスローガンである「Future Together」は、私たちがお客様に対し安全かつサステナブルな輸送ビジネスを共に未来へ繋いでいくことを約束する意思が込められています。2022年、効率性や安全性、快適性を礎に、FUSOブランドは誕生から90周年という新たな節目を迎えました。