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三菱ふそう

小型トラック「新型キャンター」をフルモデルチェンジし、
世界に先駆け新発売

〜環境性能・経済性能・安全性能+αを高いレベルで実現
地球環境を第一に考え小型トラックとしてポスト新長期規制にいち早く適合〜


2010年11月11日

三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下:MFTBC)は、「環境性能」、「経済性能」、「安全性能+α」をコンセプトに新たに開発した小型トラック「キャンター」を、世界に先駆け11月11日(木)より、全国の三菱ふそう系販売会社及びMFTBC地域販売部門から発売しました。8年ぶり8代目のフルモデルチェンジとなるこの「新型キャンター」は、国内での発売を皮切りに、2011年初旬より、順次海外市場にも展開予定です。

この「新型キャンター」は、世界で最も厳しいとされるポスト新長期排出ガス規制(平成22年規制)に小型トラックとして適合した初のフルモデルチェンジであり、さらに全モデルでNOx、PMを、規制値より30%低減するなど極めてクリーンな排出ガスを実現しました。また、全車で平成27年度重量車燃費基準を2〜7%オーバー達成するなど、クラストップの低燃費も実現しています。
この「新型キャンター」には、軽量、高効率で、低燃費を特長とする排気量3リットルの「4P10」型ディーゼルエンジン、小型トラック用として国内初となる「BlueTec®システム」(再生制御式DPF+尿素SCR)、そしてトラック世界初となるデュアルクラッチ式トランスミッション「DUONICTM」(デュオニック)を搭載しています。また、今回、内外装を一新するとともに、フレーム、サスペンション、ブレーキシステム等の改良を行い、軽量化および安全性能の向上を図りました。


「新型キャンター」の主な特長

クラストップのクリーンな排出ガス(ポスト新長期排出ガス規制値よりNOx、PMを30%低減)

クラストップの高い燃費性能(全車で平成27年度重量車燃費基準を達成し、さらに2-7%凌駕)
新開発「4P10」型エンジンと国内小型トラック初の「BlueTec®システム」を採用
トラック向世界初のデュアルクラッチ式トランスミッション「DUONICTM」を採用
シャシを中心とした徹底した設計最適化により、車両全体で最大90kgの軽量化を実現
小型トラック初、ブレーキオーバーライドシステムを標準設定
内外装を一新し、2010年度グッドデザイン賞を受賞


小型トラック「新型キャンター」(撮影用特別仕様車)


1. ダイムラー・トラック部門の世界戦略車として

MFTBCは、ダイムラー・トラック部門の一員であり、小型トラックの開発・生産についての責任を担っています。小型トラック「キャンター」は、1963年3月に初代が登場してから約半世紀が経ち、信頼と実績のあるクルマです。現在では、ダイムラー・トラック部門で最も多く、かつ、数多くの国で販売されている車種に成長しました。
その8代目「新型キャンター」は、ダイムラー・トラック部門における世界戦略車として、日本のみならず世界を視野に入れた、「環境性能」、「経済性能」、「安全性能+α」の実現を目標に4年半に及ぶ開発期間と、全世界で延べ320万kmにもおよぶ耐久試験を実施し、この度、世界に先駆けて日本で発売を開始します。

「新型キャンター」の開発は、ダイムラー・トラック部門が全世界共通で展開している「商用車開発システム」に厳格に則って行われました。これは、開発プロセスに10の関門(クオリティーゲート)を設け、関門ごとに課された厳しい要求事項がすべて満たされない限り次の開発段階に進めないというシステムであり、これを厳格に遵守することで高い品質と信頼性を確保しました。また、当社としては初となる大規模なプロジェクトハウスを立ち上げ、開発に携わる全関係者の理解と意思疎通を徹底しました。さらに最新のITツールも最大限に活用して、効率性を高めることで、従来にない高い水準の車両開発を可能としました。



2. 商品特長
<環境性能>
新開発の小型トラック専用パワートレーン、特に国内で小型トラック初採用となる「BlueTec®」により、動力性能と燃費性能をクラストップレベルに高めつつ、極めてクリーンな排出ガスとCO2削減効果により、最高レベルの環境性能を達成しました。
(1) クリーンな排出ガスとCO2低減

「新型キャンター」は、世界で最も厳しいとされるポスト新長期排出ガス規制に小型トラックとして適合した初のフルモデルチェンジとなります。さらに、ポスト新長期排出ガス規制より、NOxおよびPMを30%低減しています。
「新型キャンター」は、このように環境に配慮した排出ガス性能を備えるとともに、高い燃費性能をも備えています。燃料の消費が少なくなれば、それだけ温室化効果ガスであるCO2排出も低減できます。

例:2t積トラックを用いた社内測定の結果から(試験条件:地方での市街地走行、月間走行距離1,800km)、「新型キャンター」は従来型に比べ、CO2排出が11%少なく、その1台当りのCO2低減量を年換算すると、スギ52本が1年間で吸収するCO2の量に匹敵します。


(2) 新開発小型エンジン「4P10」

「新型キャンター」の環境性能の鍵となるのが新開発の「4P10」型エンジンです。排気量3リットル、直列4気筒のインタークーラー付ターボディーゼルエンジンで、DOHC4バルブ構造を採用。コモンレール式燃料噴射装置に、噴射反応速度に優れた「ピエゾ方式」を採用した他、新設計の高性能VGターボと高効率のEGRクーラーをあわせて採用することで、高い燃焼効率とクリーンな排出ガスを高いレベルで両立しました。また、フラットなトルク特性と高回転化により、ドライバビリティも大幅に向上しています。
このエンジンは、MFTBCとイタリアのFiat Powertrain Technologies(FPT)社が共同開発したもので、両社の厳しい品質基準、耐久性能、燃費基準などをクリアしたことにより、MFTBCの独自型式である「4P10」という型式を付与しています。


新開発小型エンジン「4P10」
4P10型 エンジンスペック
エンジン型式 4P10
適合排出ガス規制 平成22年規制
(ポスト新長期)
シリンダー配列
吸気方式
直列4気筒
インタークーラーターボ
ボア×ストローク(mm) 95.8 x 104
総排気量(L) 2.998

(3) BlueTec®システムを国内向け小型トラックで初採用

高性能な4P10エンジンのポテンシャルを最大限に引き出すため、「新型キャンター」には、再生制御DPFと尿素SCRを組み合わせた「BlueTec®システム」を国内の小型トラックとして初めて採用しました。このシステムは「再生制御式DPF」でPMを捕集、燃焼除去するとともに、NOxは「尿素SCR」で無害な窒素と水に分解します。さらに、エンジン本体の高い燃焼効率により、燃費の向上を図り、低燃費によるCO2削減が実現します。


<経済性能>
「新型キャンター」は、高性能な「4P10」型エンジンと「BlueTec®」の組み合わせに加え、トラック世界初となるデュアルクラッチ式トランスミッション「DUONICTM」の自動変速パターンの最適化、そして最大90kgもの車両重量の低減により、走行性能を一段と高めながら、同時に高い燃費性能をも可能としました。また、標準装備のECOモードやアイドリングストップ&スタート機能(オプション設定)といったエコ運転支援機能により、さらなる燃費の向上が見込まれます。さらに、主なメンテナンス項目の交換インターバルを3万kmから4万kmへ33%延長することにより、お客様の整備費用削減にも貢献します。

(4) 平成27年重量車燃費基準と実用燃費

「新型キャンター」は、全車で平成27年重量車燃費基準を達成したのみならず、同基準を約2-7%超えたクラストップの低燃費を実現しました(国土交通省届出値)。これにより、全車エコカー減税対象となります。この「新型キャンター」の高い燃費性能は、トラック事業者の方々にとっての実際の車両「総保有コスト」の低減に大きく貢献します。

例:2t積トラックを用いて繰り返し行った社内試験の結果から、現行キャンターの軽油コストより、「新型キャンター」の軽油とAdBlue®を足した合計ランニングコストの方が約10%も低いという結果を得ています(試験条件:地方での市街地走行、軽油とAdBlue®の購入単価は等価とする)。


(5) 車両の軽量化

車両重量に関しては、BlueTec®という新たなシステムの追加による重量増がありながら、エンジン排気量の3リットルへの集約、新開発の独立懸架フロントサスペンション、フレームの設計最適化により、車両全体としては、最大90kgの重量低減に成功しています。


(6) エコ運転アシスト機能

「新型キャンター」には、エコ運転をアシストする様々な機能を採用しています。「DUONICTM」に標準装備しているECOモードは、自動変速パターンを変更し、燃費効率の高い走行が実現します。また、アイドリングストップ&スタート機構(ISS)は、車両が停止すればエンジンが止まり、ブレーキを放せば自動でエンジンが始動する機能であり、停止時の燃料消費を抑制します(オプション)。


(7) メンテナンスインターバルの延長

オイル交換などのメンテナンスの基本インターバルを従来型の3万kmから4万kmへと33%延長しています。この他にも、「DUONICTM」に湿式クラッチを採用したことにより、従来型では車両ライフで複数回の交換が必要であった高価なクラッチが交換不要となるなど、メンテナンス費用の削減に貢献しています。


<安全性能+α>
「新型キャンター」は、高速時の制動能力を向上させる「総輪ディスクブレーキ」や、意図せぬアクセル操作に対するフェールセーフ機能としての「ブレーキオーバーライド」機能を標準装備しました。さらに、ドライバーの運転時の負担とストレスを軽減し、スムーズな自動変速機構をもった「DUONICTM」を採用。より高い次元の快適性や乗用車的なイージードライブを実現することにより、従来的な「安全装備」を超えた安全を提供します。

(8) トラック向け世界初の新開発デュアルクラッチ式トランスミッション「DUONICTM

自動トランスミッションの伝達効率を極限にまで高めた6速デュアルクラッチ式トランスミッション「DUONICTM」(デュオニック)を搭載しました。最大の特長は、ショックや駆動力の抜けがない、スムーズでシームレスな変速です。このため、2ペダル式のイージードライブと相まって、ドライバーを運転のストレスから解放し、運転への集中力を高めます。また、ショックのない走りは、積荷の安定にもつながります。この「DUONICTM」の変速制御には、MFTBCが長年培ってきたファジィ制御も採用しています。さらに、湿式のデュアルクラッチを採用したことにより、アクセル操作なしでの低速走行(クリープ走行)も可能としました。また、乗用車で一般的なPレンジも採用。ドライバーの負担とストレスを軽減し、運転の安全性向上に貢献します。


新型トランスミッション「DUONICTM
DUONICTMスペック
トランスミッション型式 M038S6
クラッチ形状 湿式デュアル
ギヤ数 前進6段、後進1段
発進段 2速

(9) 安全性能の拡大
 ①

小型トラック国内初「ブレーキオーバーライドシステム」を搭載
アクセルペダルが踏まれた状態で、ブレーキペダルを踏むと、ブレーキが優先される「ブレーキオーバーライドシステム」を小型トラックとして国内初採用しました。



 ② 全車総輪ディスクブレーキを採用
ブレーキのコントロール性に優れる総輪ディスクブレーキを全車に採用し、制動性能を高めました(高速走行時最大15%の制動距離の短縮)。
 ③ ABSとEBDを標準装備
ABSに加え、積載状態に応じて最適なブレーキ力の配分をコントロールするEBD(電子制御制動力配分システム)を標準装備しました。
 ④ FUP(フロント・アンダーラン・プロテクション)を標準採用
万が一の衝突時に、乗用車などのトラック前部への潜り込みを抑えるFUPを先行して標準装備し、国際的な基準であるECE規制に適合しました。

(10) 内外装を一新、2010年グッドデザイン賞を受賞

大型から小型まで一貫した、MFTBCデザインの理念を継承し、「ソリッド&タフ」をテーマにキャブデザインを一新しました。グリルデザインを新しく採用し、精悍さを高めています。またインテリアでは、明るさと調和をテーマに、コックピットを一新しました。従来車から好評のインパネシフトを継続採用するとともに、スイッチ類の配置を見直し、操作性、機能性を進化させました。


 ①

新型メータークラスターの採用
スピードメーターとタコメーターを左右対称に配した新型メータークラスターを採用。AdBlueレベルモニターも追加しています。メータークラスターには、すでに大型トラック・バス、中型トラックに採用している多重情報表示「Ivis(アイヴィス)」を採用しました。Ivisでは、燃費情報、DPFのPM堆積モニター機能、メンテナンス情報などを表示することが可能です。



 ② 2010年度グッドデザイン賞を受賞
財団法人日本産業デザイン振興会が主催する2010年度グッドデザイン賞の商品デザイン部門で、グッドデザイン賞を受賞しました。


3. 国内販売目標台数
キャンターシリーズ 25,000台/年


4. 主な型式及び希望販売価格(税込み)

主な車型 エンジン トランス
ミッション
積載量
(t)
仕様 価格(円)
SKG-FBA20

4P10 96kW
(130PS)

DUONICTM
6速AMT
2t 標準キャブ、全低床、
平ボデー完成車
4,182,000
SKG-FBA30

4P10 110kW (150PS)

標準キャブ、全低床,
ダンプ完成車
4,408,000
SKG-FEB50※ 3t ワイドキャブ、高床、
バンボデー完成車
5,064,000

※写真掲載ベース車両(除くシャシオプションおよびボデー特別仕様)
「DUONICTM」はDaimler AGの商標です。
「BlueTec®」はDaimler AGの登録商標です。
「AdBlue」はドイツ自動車工業会の登録商標です。




私たち三菱ふそうトラック・バス株式会社は、「商品・人・サービス」など企業活動のすべてについて「お客様・社会全般・地球環境」のために何ができるのか、何をなすべきなのかを考えます。
私たちの企業活動を「All for you」という言葉に込め、すべての大切な社会や環境、そして、大切なお客さまのために役立てていけるよう追求しつづけます。



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